◆令和4年度

 千代田区教育委員会研究協力園

研究特設サイト

千代田区立九段幼稚園

研究主題

生涯にわたり学び続ける姿を目指して

~夢中になって遊びこむ経験を通して 学びに向かう力を育む~

本園が目指す子どもの姿とは?

「変化が急速で予測が困難な時代」

また、「人生100年時代」と言われる

これからの時代を生き抜くためには…?

*課題解決のために主体的に取り組む姿勢

*常識にとらわれずに考え、判断し、

 周りの人と協働しながら行動する力

*新たなものを創り出す力

*自ら問いをもつ力


このような力が求められていると考えた。

     本園の幼児の実態>

  • ルールや提示された環境には関心をもち、主体的に行動する幼児が多い。一方で自ら考え創り出したり、自分で判断して決めたりする場面では、消極的になりやすい。
  • 興味をもつと自ら関わり、楽しさを表情や動きで豊かに表現している。それぞれが夢中になれるような関心事に出会うまでには時間がかかり、結果や評価を気にして一歩踏み出せないことも多い。
  • 諦めずに、根気強く取り組む姿が少ない。

<本園の幼児の課題>


〇自ら興味や関心をもって、関わろうとする

〇自ら問いをもち、考えたり判断したりする

〇失敗を恐れずに、前向きに挑戦する

〇諦めずにやり遂げようとする

〇自分の思いを十分出そうとする

〇友達と目的を実現するために、考えを出し合ったり、協力したりする

自ら「学ぼう」「学びたい」という思いをもって

生涯にわたり学び続ける姿を目指そう!

 “生涯にわたり学び続ける”ためには、資質・能力の中の一つである「学びに向かう力」が特に重要であると考え、幼児期に育みたい「学びに向かう力」とは、どのような力なのか、より具体的に捉えたいと考えました。

中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」 (2018)の資料より

 遊びを通して「学びに向かう力」をどのように育むかということにも着目し、

主題を「生涯にわたり学び続ける姿を目指して」、副主題を「夢中になって遊びこむ経験を通して 学びに向かう力を育む」と設定しました。

 本研究で目指す幼児の姿を明確にし、設定しました。

 【目指す幼児像】

様々なものや人、出来事に心を動かし、主体的に関わる中で、目的や課題解決に向けて、やり抜こうとする幼児

九段幼稚園が育みたい「学びに向かう力」とは?

 先行研究を参考に、また、日々の保育の中で具体的な場面を取り上げながら、

育みたい「学びに向かう力」の理解を職員間で共通にし、3つに整理しました。

3つの力を育むことにつながると意識して、日々の保育を意図的に行うことが重要と考えます。

 自己発揮する力や自己調整する力は、「学びに向かう力」のどの力にも関係している大切な力として取り上げています。

「学びに向かう力」はどのような経験を通して育まれるのか?

 本園では、幼児自身がもつ「学びに向かう力」は夢中になって

遊びこむことで発揮されるのではないか、また、教師の援助や環境

構成の工夫をすることで育まれていくのではないかと考えました。そのためには夢中になって遊ぶ姿を見取り、必要な援助や環境を考え、保育を行わなければなりません。これまでは幼児の姿から次の手だてを考える時、それぞれの教師が感覚で幼児の姿を見取ってきました。そこで、夢中になって遊ぶ姿をキーワードで示し、幼児の姿を見取るヒントになるようにしました。

 ここまでに示した研究の構想を、図にまとめました。

九段幼稚園の考える夢中になって遊びこむ姿とは?

 夢中になって遊びこむ姿にも捉えの違いがあったことから、具体的な姿を出し合い、本園の考える”夢中になって遊びこむ姿”を学年ごとにまとめました。

令和4年度 実践事例とまとめ

 夢中になって遊び込む姿を実践事例として取り上げ、分析する中で、幼児が夢中になって遊びこむための環境の構成や教師の援助が見えてきました。一部を抜粋し、ご紹介します。

環境の構成


  • じっくりと関わって遊べる場の確保
  • 繰り返しや満足感を得られる十分な時間の保障
  • 実態と目的に合った教材の提示
  • 遊び出しのきっかけとなる環境づくり
  • 教師や友達からの共感が伝わる雰囲気
  • 遊びの広がりにつながるような場の再構成

                   など 

教師の援助


  • 安心感につながる教師の見守り方
  • 幼児の受け止めや共感
  • 偶然との出会いの保障、言動の意識化
  • 気付いたり、考えたりするきっかけづくり
  • 個に応じた関わり方や援助
  • 一緒に遊ぶ友達を意識させる言葉掛け

                  など 

 詳しい環境の構成や教師の援助、さらに、事例の考察から分かったことについては以下の”事例のまとめ”をご覧ください。

実践事例

具体的な実践事例をいくつかご紹介します。

以下の文字をクリックすると表示されます。

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成果

  • ”夢中になって遊びこむ”や「学びに向かう力」など研究の視点をキーワードに教師間で幼児の姿を語るようになった。そのことにより、教師の遊びの見取り方が変わり、さらに、幼児理解が深まった。
  • 視点をもって遊びを見取り、教師が環境を見直し再構成したり、援助を考えたりしてきたことで、幼児の変容として、結果を気にせず前向きに取り組んだり、一つの遊びにこだわって遊んだりする姿が見られるようになってきた。
  • 「学びに向かう力」を具体的に捉えたことで、同じ遊びの中でも、「学びに向かう様々な力」が発揮されていることや、夢中になって遊びこむ中で、それぞれの力が作用し合いながら育まれていくことが見えてきた。
  • 研究をきっかけに、幼児は遊びを通して学んでいることや幼児期に大切にしたい姿を、家庭に向け情報発信しながら、保護者と共有することができた。
  • 幼稚園と小学校で「学びに向かう力」に着目して、研究を進めてきた。幼児教育と小学校教育の教育内容や指導方法の共通点や違いについて、相互に理解を深めることができた。


課題

  • 「学びに向かう力」を視点に保育実践を分析・考察してきた。その中で見えてきたそれぞれの力が、どのように作用し合っていくのか、また、発達(3歳児・4歳児・5歳児)による違い、遊びの理解、環境や援助について、更に学びを深めていきたい。
  • 職員間で幼児の姿を語り合い、伝え合ってきた。記録を積み重ね整理・考察することで、より研究主題に迫ることができたと考える。今後は、語り合える雰囲気を大切にしながら、教師一人一人が記録しやすく、保育を振り返ることができる記録の方法を工夫する。
  • 幼児期に育まれた「学びに向かう力」が、小学校生活の中でどのように発揮され、更に育まれていくのか、実践を通して明らかにできるよう、小学校と密に連携し、幼児期の学びと小学校の学びの円滑な接続を見据えたカリキュラム開発を進めていきたい。


当日公開保育 指導案

3歳児・4歳児・5歳児

園庭や保育室で行う 好きな遊び


自然物を使った遊び

自分で作った物を持ち込んだ ごっこ遊び など

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問い合わせ先

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〒102ー0075

千代田区三番町16

Tel:03-3263-0567